Monday, June 19, 2017

ビートルズの影響ではじまった若者の顔ヒゲ

再掲「学生の顔ヒゲの変遷、100年分」

University Graduate Facial Hair Styles 1898-2008 [OC] : dataisbeautiful

このグラフは北米の学生における顔ヒゲの割合を示したもの。先日の記事では、ヒゲの流行の背景に経済的要因があるのではないかとしたが、むしろビートルズの影響が大きいのではないか。

次の図で見ると、ビートルズのメンバーがそろってヒゲを生やしたのは1967年から。


The Beatles: A Decade in Facial Hair vs. Fashion - Ünnecessary Ümlaut

また、こちらのブログ記事「ビートルズの髭のなぞ」によれば、メンバーがヒゲを生やしはじめたのは1966年の秋からで、ポール・マッカトニーが自損事故で唇を縫ったあとを隠すために伸ばし、ジョージ・ハリスンはインドを訪れるさいにシタールの師であるラヴィ・シャンカールの勧めでヒゲをたくわえ、これらに他のメンバーがならって全員がヒゲを伸ばしはじめた。
そして、66年11月に発表された宣伝用写真でヒゲをはやしたビートルズが初めて公開され、翌67年に発売されたアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』でヒゲ面の写真がジャケットを飾った。この1967年は、上のグラフで学生の顔ヒゲが増えはじめた年と一致している。


The Beatles – Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band [Tracklist + Album Artwork] | Genius

データはあげられないが、若者のファッションに与えたビートルズの影響はこれ以前からはじまっていたはずで、マッシュルームカットが知られると若者のあいだでこの髪型を真似るものが現れ、さらにメンバーがそれぞれ勝手に髪を伸ばしはじめると、若者も長髪化するといった流れがあり、それに続いたヒゲの流行もビートルズにならったものに違いない。ミリタリールックの流行もビートルズがきっかけだったはずで、当時の若者ファッションへの彼らの影響は、音楽ファン以外にも追随者が広がったという意味では音楽の影響より大きかったのではないか。